整体により骨格構造の歪みが整うと、症状が改善されますが、その場で改善されないケースや、別の症状が出てくるケースがあります。このことについて説明いたします。

その場で改善されないケース

当院の痛みの考え方は、骨格構造が歪んで、その骨に付いている筋肉が歪まされ、その筋肉の中を走る神経に刺激が与えられて痛みを脳が感じる、と考えています。

その症状の期間が長ければ長いほど、神経は痛みを感じている期間が長くなり、慢性痛となります。その時の神経の状態は、例えて言えば、長く圧迫されていたので、神経が赤く腫れあがった状態と考えると分かりやすいでしょう。

骨格の歪みが取れ、筋肉がリラックスしても痛みが残るのは、神経が赤く腫れあがったままだからなのです。しかし神経を圧迫していた筋肉がリラックスしたので、神経の腫れが収まれば痛みは治まります。通常２～３日ほどでおさまります。

別の症状が出てくるケース

他方、筋肉のリラックスにより、血流やリンパ流れの促進が起こります。今まで滞留していた血流＆リンパが一挙に流れ出すことにより、身体には様々な反応が起きる可能性があるのです。

それが、好転反応です。

身体の歪みが強かったので、血流やリンパの流れが良くなかった状態から、身体の歪みが取れると、血流＆リンパの流れが急激に良くなります。

血流は細胞に栄養と酸素を供給しますが、その結果各細胞に有った毒素や老廃物（乳酸・ピルビン酸等）がリンパの流れとして一気に体中を流れることになります。そのために、だるさや、今まで感じていなかった痛みを感じることがあります。

分かりやすい例ですと、例えば法事などで長時間正座をすると足がしびれてきますね。血流＆リンパの流れが悪くなったためです。

しばらくするとしびれがあったことを忘れますが、お坊さんのお話が終わり、さあ！立ち上がろう！とすると、急に痛みやしびれを感じます。

これが、血流＆リンパの流れが急に良くなった時に起きる現象です。

このように好転反応が現れるのは、身体が良い状態になろうとしている表れです。

通常は1日、症状によっては２～３日ゆっくりすると更に良い状態になります。

この好転反応の症状としては、以下4分類されています。

・弛緩反応

整体による、筋肉のリラックスにより、今まで筋肉に溜まっていた毒素や老廃物がリンパを通して流れ出します。本来はリンパ節によりろ過されるべき毒素・老廃物が十分にろ過しきれずに、その結果、急激な倦怠感や、疲れ、眠気、発熱、等が発症することが代表的な症状です。

これらの反応が表れた場合は横になって休みましょう。デトックスでもあるので、水を飲んでおくこともおススメです。

・過敏反応

施術した個所はそもそも血流不足により冷えていました。施術による筋肉のリラックス効果により、温かな熱を持った血流が流れ出し、痛んだ細胞を復活させる働きがあります。冷えていた細胞が急に温められることにより、痛みやかゆみ、炎症を起こすことが有ります。

これらの反応が表れた場合も横になって休みましょう。

・排泄反応

文字通り、体にたまった毒素や老廃物を、リンパを通じて、尿・便・汗などで体外へ排出する働きです。これらの働きが促進された結果、尿の色やにおいが濃くなったり、ニキビや吹き出物がでたりすることが有ります。

これらの反応が表れた場合はデトックスでもあるので、水を多く飲んでおくことがおススメです。

・回復反応

血流が改善されたために、倦怠感、疲れ、発熱、等の症状が出ることが有ります。

弛緩反応に似ていますが、弛緩反応はリンパの流れが良くなったために起きるのに対して、回復反応は血流の改善によっておきます。血流は30秒で心臓から出て全身を巡って再び心臓に戻ると言われています。対して、リンパの流れは1分間で24cmと言われています。このため回復反応の方が弛緩反応よりも早く表れることが多いです。

これらの反応が表れた場合も横になって休みましょう。

これらの好転反応はいずれも２～３日ほどですっかり良くなると言われていますが、

厚生労働省では「好転反応」に科学的根拠はないとの見解です。「健康食品の正しい利用法」と言う厚生労働省医薬食品局食品安全部発行物に以下の記載があります。

「好転反応」に科学的根拠はありませんので、商品説明の表現として好転 反応をうたうものには十分注意し、万が一、健康食品を摂取して体調が悪くなった場合には、すぐに使用を中止しましょう。使用中止や医療機関受診などの「適切な対応」が遅れれば、健康被害が拡大してしまうことも考えられます。｢払ったお金がもったいない｣などといって食べ続けた結果、病状がさらに悪化して しまったのでは、元も子もありません。

２～３日経っても症状が治まらない場合、または、更に悪化するような場合は直ぐに医療機関に相談しましょう。