リンパとは何か。
ずばり「病原菌の侵入を防ぐ」働きをしている体の組織液です。
リンパの働きは二つ、免疫機能と ろ過機能です。
リンパ液は無色透明の液体ですが、その中身はタンパク質や脂肪の栄養素と、細菌、ウィルス、乳酸、アンモニア、尿酸等です。
身体に不要となったものは老廃物と総称していますが、これらの老廃物を回収しリンパ節を通過するたびに老廃物をろ過する仕組みになっています。
リンパ節は約800個あり、全身のあらゆるところにリンパ管の中継地点のように存在しています。
特に大きいリンパ節が集まっているのは、脚の付け根の鼠径部(そけいぶ)、脇の下、耳の下のリンパ節です。
これらのリンパ節の働きが活発であればあるほど免疫機能が働き老廃物をろ過する機能も働きます。具合が悪い時に、耳の下のリンパ節が腫れるのはそのせいなのです。
ですがリンパの流れがスムーズにいかず老廃物がしっかり排出できていない状態、むくみや冷えにお悩みの方が多いのも事実です。
リンパの流れが滞る一因となるのが骨格の歪みや硬くなった筋肉、コリです。
まずは土台となる骨格を整えて、筋肉等のねじれを解消する。
滞っていたリンパの流れをスムーズにし、老廃物を排出する。
きれいなリンパ液が体内を循環するようになると、老廃物も排出されやすくなるので、疲労感、だるさを感じにくくなることも期待できます。健康だけでなく美容にまでと、様々な効果が期待できますね!
人間を細胞レベルで見ると、心臓からの血液で栄養と酸素を供給され、その結果不要となった老廃物をリンパとして排出し、途中でろ過しながら鎖骨下の左右静脈角から静脈に繋がり、心臓へと運ばれます。
また心臓で血液として再生され細胞へと流れるわけです。
言ってみれば下水管のような存在なのです。
但しその循環で面白いことが有ります。
リンパのリの字
人間の身体は基本的に左右対称なのですが、リンパの流れは左右非対称なのです。
右上肢のリンパは右腋窩部のリンパ節から、右鎖骨下の静脈角から静脈へ。
左上肢のリンパは左腋窩部のリンパ節から、左鎖骨下の静脈角から静脈へ、となり、左右対称なのですが、左右の下肢のリンパは左右の鼠径部のリンパ節から左の静脈角から静脈に流れます。
図のようにブロックが分かれているのです。
このブロックの形がリンパのリの字に似ていませんか?
このようにリンパの流れにはブロックが存在するので、身体への施術の順番にも影響が出てくるのです。
先ずリンパの流れる速度ですが、血液と違って非常にゆっくりした流れなのです。血液は心臓の働きで心臓から出てから全身を巡って再び心臓に戻るまでに約30秒と言われています。最も太い血管内では秒速1mだそうです。
それに比べリンパの流れは1分間に約24cm前後なのです。リンパは血液と違って筋肉の動きによって流れているのです。例えば、ふくらはぎのむくみは、リンパが歩行などによる筋肉の収縮や弛緩によって心臓へと運ばれるのですが、安静状態では筋ポンプ作用が行われないため、リンパは流れません。デスクワークで夕方足がむくむのはそのためです。
また運動不足の方にリンパの停滞である、むくみが出やすいのです。
ちょっと話を変えてみます。例えば高速道路で渋滞が起きたとします。どこから流れを良くした方が良いと思われますか?入り口でしょうか?途中でしょうか?出口でしょうか?
もうお分かりですね?そう、出口からです!
リンパの流れの出口とは心臓への入り口にあたるので、心臓からより近い場所から施術していくことでリンパの流れが滞ることなく流れるのです。
実際には、たとえ右肩が凝っていると言う方にも、左腋窩部から施術を開始するのはこのためなのです。
体の機能が働きやすい状態を整え、
いつも元気に過ごせるようにしましょう!☆^^☆!